【終活の参考に】相続が発生したので遺産分割協議書を作成して税務申告した話

コラム, 資格・勉強

こんにちは、斉藤カラスです!

最近祖父が亡くなって相続が発生しました。
斉藤は相続人ではありませんがファイナンシャルプランナーとしてアドバイザーの任に着いた時のお話です。

※個人情報保護や計算のわかりやすさの観点から数値等変更をして記事を書かせていただいております。

親や家族の通帳・キャッシュカードのありかと暗証番号は把握していますか?

皆さん、唐突ですが年老いた親御さんの口座を管理していますか?
管理していない人も多いし、そもそもどの銀行に口座があるかもわからない人が多いのではないでしょうか。
そんな方はいざという時のために手元に現金を用意しておくことをお勧めします。

なぜかというと、銀行というものはどこから嗅ぎつけるのか、誰かが亡くなるとその人の銀行口座を凍結します
これが結構早くて、亡くなって数日以内に確実に取引停止にしてきます。
つまり、親が亡くなったから親の口座にあるお金で病院や葬儀費用を捻出しようと考えていると、引き出せなくて首が回らなくなるということが起きます。

この情報を知っていて、何かあった時のために暗証番号を聞いていた斉藤は訃報を受けて病院からお寺さんに祖父が移送されたのを見送ってすぐに、祖父の口座から預金を引き出しました。
もちろん相続人の許可を得てやっていますし、もともと決まっていた行動です。
不謹慎と思われる方もいるかもしれませんが、祖父と終活について日頃話をしていたので全く問題のない行動です。

口座が一度凍結されると解除が面倒ですし時間がかかるので、終活の一環として通帳と暗証番号はしっかりとお子さんに管理してもらったほうがいいです。
もちろん、信頼がおけるということが前提ですが…

葬儀で支払った費用の領収書はちゃんと取っておく

さて、数日経って葬儀になります。
葬儀から納骨まで済ませると結構お金がかかっています。
バカにならない金額なので領収書を取っておきましょう。

葬儀費用は相続財産から控除することができるので控除できるものは控除します。
亡くなる直前まで入院していたなどで未払い医療費がある場合はそれも相続財産から引くことができます

相続財産と相続人の数の把握

葬儀も終わって少し落ち着いたらようやく相続について考えていきます。
相続が発生したらまずは相続財産を把握します。

うちの場合は不動産(土地・建物)一つとわずかな現金が相続財産でした。
{ここで以降の話を簡単にするため、相続財産は不動産のみとし、課税対象額は7000万円(土地6000万円+建物1000万円)としておきます。}

ちなみに、不動産の相続の時に計算に用いる不動産の価格とは土地については路線価、建物については固定資産税評価額を指します。
不動産を所持している方は毎年固定資産税の引落連絡の書類が来ると思いますが、あれに書かれている不動産価格です。

対して、相続人は配偶者に子供三人の計四人。
基礎控除3000万円+相続人一人当たり600万円の計5400万円までなら相続財産に相続税がかかりません。
7000万円-5400万円=1600万円なので、このまま何もせずに3ヶ月経過すると単純相続となり相続税がかかります
相続人四人で合計160万円の相続税が請求されるでしょう。
しかも払わなければ数年後に延滞金付きで

相続税を減額する制度はいくつかあるので利用できる制度を探して相続税を減らしていきたいと思います。

配偶者の税額軽減で配偶者分の税金を免除してもらう

相続によって配偶者が財産を取得した場合、その財産の価格が1億6千万円以下である場合及び課税価格の合計額に配偶者の法定相続分をかけた金額以下である場合には相続税がかからなくなります

うちの案件は今のところこれに該当しますね。

この制度を適用すれば相続税を減らすことができるでしょう。

小規模宅地等の特例を使って相続課税対象額を下げる

うちの相続案件は相続財産の主だったものが不動産であり、その不動産には現在配偶者と子の内一人が住んでいました。

相続した不動産に相続前から住んでいてかつ相続後も住み続ける場合、小規模宅地等の特例という制度が受けられます。(土地につき330mまで)

ここで注意しなければならないことは相続後も住み続けることが条件ということです。
葬式が終わってすぐに自宅を売りに出してしまうと小規模宅地等の特例が受けられなくなり、延滞金及び加算金が課されて大変な額の税金が請求される可能性があります
ただし、相続人が配偶者の場合はすぐに売りに出しても小規模宅地等の特例が受けられますのでご安心ください。
配偶者以外は実子でも注意ですね

小規模宅地等の特例というのは上記条件の不動産を相続するときは、その不動産の土地の価値を80%減額して計算してよいという制度です。

相続財産である不動産の土地は330m以下だったので、7000万円の不動産(土地6000万円+建物1000万円)の相続税課税対象額を

土地6000万円×(1-80%)+建物1000万円=2200万円

にまで減額することができます。

つまり、その家に住んでいる2人にその不動産(土地+建物)を相続してもらえば基礎控除の5400万円以内に収まるので相続税が0円になります

「配偶者の税額軽減」も「小規模宅地等の特例」も適用を受けるには相続税の申告が必要

「配偶者の税額減税」や「小規模宅地等の特例」の条件に当てはまり、『相続税が0になるから相続税は払わなくて大丈夫』と思っていると延滞通知書が届くので注意してください

「配偶者の税額減税」や「小規模宅地等の特例」の適用を受けるにはたとえ相続税が0円であっても相続税の申告書を提出する必要があります

これを忘れたら減税適用を受けられないばかりか、延滞金まで発生する可能性があるので忘れずにしっかり申告しましょう!

相続税は10カ月以内に納付する

相続税の申告書は相続が発生した日(厳密には知った日)の翌日から10カ月以内に行ってください。
この期間を過ぎると様々な減税措置が受けられなくなります。

上記を踏まえて遺産分割協議書を作成した

上記の様々な相続税制度及び今後の相続の状況を踏まえ、相続財産の不動産に住んでいる配偶者と一人の子に1/2ずつ不動産を相続させ、それ以外の子2人は相続財産なしとしました。

こうすることで相続税の課税対象額が2200万円となり、基礎控除額の5400万円を下回るため相続税がかからなくなります。

ちなみに残りの2人の子供には今回亡くなった祖父の配偶者(祖母)に相続が発生した時に遺産を分配します。こうして一度実家に住んでいる配偶者に半分相続させ、残りを子供のうち何人かに相続。そして配偶者(祖母)がなくなったときに前に遺産を受け取らなかった子供たちに祖母が持ってる分の持ち分を相続させると相続税が安く済む場合があります。(実家の持ち分を分けたい時だけですが)

この遺産分割を実行に移すために遺産分割協議書を相続人全員で作成します。

遺産分割協議書のフォーマットは国税庁ホームページや法務省ホームページ等にありますのでそれを入手し記入例通りに記載していけばOKです。

実印の押印と、申告するときに印鑑証明書マイナンバーが必要なので準備しておくとよいでしょう。

書類をそろえ、申告書を記載して提出すれば相続税の申告は終了です。

不動産の相続登記を行う

遺産分割協議書が完成したら、それをもとに不動産の相続登記を行います。

不動産登記は登記変更の当事者以外は行えません。(司法書士を除く)
ですので当事者がやるか、分からない場合はお近くの司法書士に相談することになります。

相続登記に必要なものは登記申請書以外には主に以下のものが必要です。
・相続人の住所証明情報(住民票の写し)
・登記原因証明情報(除籍謄本等)
・遺産分割協議書
・相続関係説明図
・自分以外の当事者の委任状
・相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議書に押印されている実印の確認のため)

ここら辺について詳しい人が相続人にいなければおそらく訳が分からないと思いますので、司法書士に相談したほうがいいと思います。

複雑で分からないからと言って相続登記をしないで放置すると後々面倒なことになるので必ず相続の登記は行ってください

不動産の登記にはお金がかかる【登録免許税】

相続の場合、登録免許税は不動産の固定資産税評価額の4/1000です。(100円未満切り捨て)
相続財産が7000万円だとすると、

7000万円×4/1000=28万円

となります。結構かかりますよねぇ。

ただ、売買による登記変更は20/1000となるので、強制的に登記変更を迫られる相続の登記は一応優遇されてはいます。

でも高い…この額を払いたくなくて登記をしない人もいるんじゃないかと思ってしまうくらい高いです…

話がそれましたが、これらの申請を行い相続登記が完了すれば相続は終了です。

まとめ

以上が相続が発生した時の一連の流れの一例です。
いかがでしたか?

結構やることが多くて大変ですよね。
終活が流行りつつある現在ですがまだまだ広がってはいません。
先立つ方は残される人のために、残される人も先立つ人の遺志を継ぐために、相続についてみんなで話をしておくことが結局全員のためになる重要なことだと思います。
今一度、家族でいざという時の話をし、話をまとめておくことが「争続」を回避する一番いい方法です。

今度の家族会議の題材に「終活」、いかがですか?