【超簡単!】減配・優待改悪リスクのある銘柄の調べ方

2019年2月24日コラム

こんにちは、斉藤カラスです!

株式投資をするといっても、どの銘柄を買えばいいか分かりません。成長株を買うグロース投資や割安株を買うバリュー投資。高配当銘柄を買って夢の配当金生活を目指すのもいいでしょう。

しかし、配当は企業が利益を株主に還元する制度

増えることも減ることもあります。

今回はそんな配当や優待が減配・改悪される銘柄を避けるための簡単なチェック方法をお伝えしましょう。

一株益と配当金額を比べる

四季報や各証券会社の四季報欄に一株益が記載されています。(下の画像の赤く囲った場所)

これが1年で1株当たりいくら稼いだかという数値です。

上の画像で言うとJTは2017年に一株当たり219.1円稼いでいます。

そして青く囲っているところが一株当たりの配当金です。

上の画像で言うとJTは2017年に一株当たり140円配当を出しています。

219.1円稼いだので株主に140円還元しているということですね。

実はここを見るだけで減配・優待改悪のリスクがある程度わかるのです。

一株益より配当額が多い

ここでKG情報の一株益と配当金を見てみましょう。

2017年の一株益が24.5円でその年の配当金が41.9円です。

24.5円稼いで41.9円分配してるので稼ぎよりも配当のほうが多くなっています

足りない分はどこからお金をもってきているかというと、今まで稼いだ利益の積み立て(利益余剰金)から出ていることが多いです。

利益余剰金は無限にあるわけではありませんから、稼ぎ(一株益)を増やさなければいつかは配当金が減ってしまうことになります。

配当性向が決まっている会社は配当が安定しない

三井金属エンジニアリングを見てみましょう。

三井金属エンジニアリングは景気に敏感に反応する非鉄製錬がメイン業務の会社です。

業績が安定しないので年ごとに一株益が異なります。

2015年は一株益が101.9円なのに対して2016年は72.9円にまで下がり、2017年には逆に122.1円に増えています。

安定配当を経営方針とする会社であれば、業績に波があっても一定の配当を出し続けます。

しかし、三井金属エンジニアリングは配当性向50%(一株益に対して50%の配当金を出すという意味)という配当方針を打ち出しているので業績が落ちれば躊躇なく減配します。

ただでさえ難しい会社業績予想をしっかり行わないと減配に巻き込まれるので、高配当だからといって配当金目的で容易に買うことはできません。

株主優待の原資

株主優待は配当と同じように株主還元の一部です。

タダではないはずのその費用、いったいどこから出るのでしょうか。

その原資は以下のようになっています。

営業外費用として営業利益から差し引かれる。(自社商品や優待割引券(5%割引や10%割引)に関しては販管費として売上総利益から差し引かれる場合有り。)

◎営業利益ー営業外費用=経常利益となり、経常利益+特別損益=純利益なので(法人税の話は置いておいて)一株益の計算に用いる当期純利益に優待の経費は算入されている。

売上
売上総利益
営業利益←自社商品優待を実施した場合ここが減る
経常利益←金券・金券同等品優待を実施した場合ここが減る
純利益株数で割って一株利益を算出する

一株益より配当金のほうが少なくても安心できない

エスクロージャパンは100株当たり1000円相当のクオカード(1年以上長期保有の場合は倍の2000円相当)を株主優待として設定していました。

100株以上で1000円分のクオカード。1株当たりにすると10円です。

その後、エスクロージャパンは1:5の株式分割を行い、発行株数が5倍になりました。

今まで100株持っていた人がいきなり500株保有になります。

優待狙いの人は100株だけ持っていればいいので400株は処分する可能性が高いです。

そうするとその400株を買う人が増え、株主数も増加すると考えられます。

その結果株主優待にかかる経費も増加し、経常利益が減っていくことになり会社経営が厳しくなります。

実際、エスクローは株主優待引当金を1:5分割する前の株主数分で且、長期株主用のプラスアルファ分を考慮しない分しか計上していませんでした。

そのような状況なので増大する株主優待経費を吸収できなくなり、優待廃止に追い込まれたものと思われます(本年度に入り株主優待引当金が増えている形跡がないため)。

優待の内容によって会社の負担が変わる

手厚い優待で話題のすかいらーくを見てみましょう。

2018年の予想一株益は66.5円。予想一株配当は38円です。それに加えて1000株保有時の1年間の優待金額は69000円分の飲食カード。この優待はすかいらーくグループで使用できます。

すかいらーくの優待はすかいらーくグループで使える飲食カードなので、クオカードのように額面丸々経費として掛かるわけではありません。

すかいらーくの優待は営業外費用(交際費)に計上されています。

どういうことかというと、すかいらーく社が優待を増やすと営業利益が減っていき、逆にその優待券を使う客が増えるので売上高は増える傾向にあります。

利益を削って株主にタダ券を配っているという構造になります。

会社の経費としては商品の原価分なので額面通りの費用ではありませんが、かなり苦しいですね。

この状況を受けてか、2019年2月にすかいらーくは配当金を半額にしました。

これはすかいらーくの株価を支えている個人株主が優待券目当てであることを鑑みたのと、配当金は額面通りの経費が掛かるのに対し、優待券は商品原価分しか経費が掛からないことからの判断だったと考えられます。

まとめ

今回まとめたものはあくまで簡易的に減配・優待改悪リスクを調べるもので、取り上げた銘柄が実際に減配・優待改悪を行うというわけではありません。

多くの企業には内部留保があり、より多くの株主還元を行っても全く経営に響かない企業もあり、そういったところが継続して高配当・良優待を行うことも当然あります。