【独学合格者ノート】行政書士試験受験者のための行政法【これを見れば行政法がわかる!】その3 行政不服審査法

2018年10月9日資格・勉強

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【独学合格者ノート】行政書士試験受験者のための行政法【これを見れば行政法がわかる!】

【独学合格者ノート】行政書士試験受験者のための行政法【これを見れば行政法がわかる!】その2

行政法の続き、今回は行政不服審査法です。

行政不服審査法

行政不服申し立ては、行政庁の違法または不当な処分その他公権力の行使にあたる行為について、簡易迅速かつ公正な手続きで行政に対してその是正を求める制度をいう。

→行政不服審査法は、不服申し立ての一般法。

→処分又は不作為が対象。

処分

行政庁が法令に基づき優位的立場において、国民に対し権利を設定し義務を課し、その他具体的な法律上の効果を発生させる行為をいう

→処分については、違法だけでなく、不当な処分も不服申し立ての対象になる。公権力の行使にあたる事実上の行為も対象。

一般概括主義

広く国民の権利利益の救済に資するため、一部例外を除き、原則としてすべての処分について審査請求が認められる

適応除外(上記「一部例外」の部分)…国会の議決・裁判、検査官会議、税金関係学校や試験・検定の結果刑事事件外国人の出入国

審査請求

行政庁の処分又は不作為について、処分庁または不作為庁、上級行政庁に不服を申し立てる手続き。

一般概括主義。申立期間は知った日の翌日から3カ月以内。又はあった日の翌日から1年以内。

不作為については期間の定めなし

再調査の請求

法律で定めがある場合に、処分庁に処分の見直しを求める手続き。

一般概括主義。申立期間は知った日の翌日から3カ月以内。又はあった日の翌日から1年以内。

※審査請求とどちらを選択してもよいが、再調査の請求をすると、その決定(結果)が出た後でないと審査請求できない

再審査請求

法律で定めがある場合に、審査請求の結果について、さらに不服を申し立てる手続。

列挙主義。申立期間は裁決があったことを知った日の翌日から1カ月以内。又はあった日の翌日から1年以内。

審査請求の要件

  1. 処分または不作為があること。
  2. 正当な当事者からの申し立てであること。→自己の権利もしくは法律上保護された利益を侵害され、又は必然的に侵害される恐れのある者。→処分の相手方に限られない不作為の場合は申請した者のみ
    ※代理人…条件なく代理人を選任でき、審査請求に関する一切の行為ができるが取り下げのみ特別の委任が必要
    ※総代…多数人が共同で行う時は、3人以内の総代を互選できる審査員が必要と認めるときは互選を命じることができる。審査請求に関する一切の行為ができるが取下げはできない
  3. 権限を有する行政庁に申し立てること。
    →最上級行政庁に対して行うが、ない場合は当該処分(不作為)庁。
  4. 不服申立期間内であること。
  5. 方式を具備していること。

→他の法律に口頭ですることができる旨の定めがある場合を除いて、書面を提出して行う
→審査庁に持参又は郵送により行う。→審査庁=行政庁の場合は処分庁を経由して申請できる。
→郵送の場合は、到達までは審査請求の期間に算入しない。

審査請求書に不備がある場合は、審査庁は相当の期間を定め、不備を補正することを命じなければならない

行政不服審査の手続

審理員

審査庁はその属する職員のうち処分または不作為に関与していない者から、審理員を指名し、その旨を審査請求人および処分庁に通知しなければならない。

書面審理主義

審査請求の審理は書面によるが、審査請求人または参加人の申立てがあれば、審査員は当該申立てをした者に、口頭で意見を述べる機会を与えなければならない

職権探知主義

審理は審理員が主導的に進め(職権主義)、請求の基礎となっている事実については、申立人が申し立てている以外の事実を職権で調査することができる

また、申立人の提出した証拠以外の証拠を職権で調べることができる。(職権証拠調べ)

弁明書

審理員は、審査庁から指名されたときは直ちに審査請求書の写しを処分庁に送付し相当の期間を定めて弁明書の提出を求めなければならない

その後、弁明書を審査請求人及び参加人送付しなければならない

反論書

弁明書が送付されてきたら、審査請求人は反論書、参加人は意見書を提出できる。

提出された場合はそれぞれ他の当事者に送付しなければならない

参加人

利害関係人は、審理員の許可を得て参加できる。

また、審理員は必要があると認めているときは、利害関係人に参加を求めることができる

手続の承継

相続、合併、分割により権利を承継→当然に承継

審査請求の目的である処分に係る権利を譲り受けた者→審査庁の許可を得て承継

標準処理期間

事務所に到達してから裁決をするまでの標準処理期間を定めるよう努める

定めた時は絶対に公表する

行政不服審査の終了

  1. 審理員は、審理手続を終結した時は遅滞なく、審査庁がすべき裁決に関する意見書を作成し、速やかに、事件記録と共に、審査庁に提出しなければならない
  2. 行政不服審査会への諮問
    審査庁は、審理員から意見書の提出を受けたときは行政不服審査会に諮問しなければならない
    審査会は、主張書面や資料の提出を求めたり、事実の陳述または鑑定を求める等、必要な調査を行える。
    審査請求人の申立てがあった場合、口頭で意見を述べる機会を与えなければならず、審査会の許可を得て補佐人と共に出頭することもできる。
  3. 裁決 審査庁は、行政不服審査会等から諮問に対する答申を受けた時は遅滞なく裁決をする。

却下裁決:形式が不適法で門前払い

棄却裁決理由がない場合

認容裁決:理由があると認め、処分の全部または一部を取消、変更する判断

事情裁決

公の利益に著しい障害を生じる場合、当該申立てを棄却すること。

この場合、審査庁は裁決の主文で、当該処分が違法または不当であることを宣言しなければならない

(裁決は①主文②事案の概要③主張の要旨④理由を記載し、審査庁が記名押印して行う。裁決は裁決書の謄本を送達することによって効果が生じる。)

審査請求の取り下げ

審査請求人は、裁決があるまではいつでも書面で取り下げることができる。

執行不停止の原則

審査請求がなされても、当該処分の効力、処分の執行または手続きの続行は、原則として停止されない。

仮の権利保全手続き

申立てがあった場合に、処分、処分の執行又は手続きの続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要

あると認めるときは、審査庁は、執行を停止しなければならない。

ただし、

公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、②本案について理由がないとみえるとき

は執行を停止しなくて良い。

執行停止の取消

①執行停止が、公共の福祉に重大な影響を及ぼすことが明らかな場合、②その他事情が変更したときは審査庁は執行停止を取り消すことができる

教示制度

不服申立てができる処分をする場合→書面で教示。(口頭でする処分の場合、教示不要)

利害関係人から教示を求められた場合→教示(方法不問)(書面で求められたら書面で教示)

 

教示を怠った場合→当該処分庁に不服を申し立てることができる。処分庁は不服申立書を当該審査庁に送付

すべき行政庁を誤った場合→提出を受けた行政庁は審査請求書審査庁となるべき行政庁に送付

再調査ができないのにできると教示した場合→請求された行政庁は審査庁となるべき行政庁に送付

再調査ができる処分につき、審査請求ができる旨教示しなかった場合→再調査請求がなされた場合で、申立てがあった場合、処分庁は再調査請求書を審査庁に送付

 

以上、行政不服審査法終わり。

次回、行政事件訴訟法を予定。