【独学合格者ノート】行政書士試験受験者のための憲法【これを見れば憲法がわかる!】

資格・勉強

こんにちは、斉藤カラスです。

前回の記事はこちら

今回は行政書士試験に挑む方のために行政書士試験で最初に出てくる『憲法』についてまとめたいと思います。

行政書士試験は通信教育や専門学校に通って臨む方も多いですが、もちろん独学で挑む方もいます。

斉藤も独学で勉強して合格したのですが、その時にまとめたノートがあるのでこれをもとに今回は記事を書こうと思います。

学校ならノートをとっている人に『ノート貸して!』といえますが、資格試験ではなかなかそういう状況がなくて不便なので、受験生の皆さんには斉藤がノートを貸しましょうという企画です!

行政書士試験は憲法・民法・行政法と範囲が広く大変ですが、覚えることをまとめてしまえばあとは暗記するだけなので『出るとこまとめ』が非常に有効です。

そうはいっても受験生は忙しいですし、受験範囲が広すぎて教科書や参考書ですら各出版社が予想して作成しているので毎年内容が異なっています。(特に「1年で合格する」的な短期合格を謳っているものは要点をかなり絞ってまとめているのでその傾向が顕著です)

ですので、受験範囲も広く民法と行政法で手が回らない受験生のために斉藤が試験勉強時代にまとめたノートから憲法の範囲をこれからまとめていきます。

行政書士試験を受けない方でも、一般的な法律の上位に位置する憲法で何が決まっているか知ることで世の中の仕組みが詳しく分かるようになりますし、判例とか結構面白いものありますよ!

「薬局は隣接して開業してはいけない」という法律が憲法違反で取り消された結果、今は薬局の隣に薬局付きドラッグストアがあったりと乱立している状況ですよね。

ドラッグストア系のチェーン店が業績を伸ばしているのもこの判例があったからなのかもしれません。

憲法は基本的なルールを定めたもの、法律の上位に当たるものとして頭の片隅にでも覚えておけば生きる上で役に立つこともあると思います。

憲法まとめその1(総論~人権まで)

※論点をすべて網羅しているわけではなく、重要な部分をかいつまんで暗記ノートにしています。太字の赤字の部分が重要な暗記ポイント、赤字下線アリが次点で重要なポイントです。

受験生のみなさんに確認用として使用していただければ幸いです。

天皇

内閣総理大臣ー国会が指名 天皇が任命。

最高裁裁判長ー内閣が指名 天皇が任命。

国会→内閣→裁判所の三権分立。

天皇の国事行為は内閣の助言承認を必要とし、内閣が責任を負う。

憲法改正法律政令及び条約公布すること。

国会を召集。衆議院の解散。国務大臣等任免並びに全権委任状、大使公使の信任状認証。大赦等刑に関しての認証

皇室典範の定めるところにより摂政を置く時は摂政天皇の名でその国事行為を行う。

皇室が財産を譲り渡し、または譲り受けることは国会の議決に基づかなければならない。

摂政は最近話題なので試験にいつ出てもおかしくありません

人権

外国人の人権…権利の性質により、保証される権利とそうでない権利を区別する。

マクリーン事件

基本的人権の保障は権利の性質上、日本国民のみを対象としていると解されるものを除き、在留外国人にも等しく及ぶ

政治活動の自由については外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保証が及ぶ

③外国人に対する基本的人権の保障は、外国人在留制度の枠内で与えられているにすぎず、在留期間の更新の際に消極的な事情として斟酌されないまでの保障が与えられているものではない。

マクリーン事件まとめ→外国人は在留の権利や引き続き在留する権利保障されているわけではない

その他外国人の権利

  • 指紋押捺を強制されない自由…あり
  • 出国の自由…あり
  • 入国の自由…なし
  • 福祉的給付を自国民優先…OK
  • 地方選挙、国政選挙…×。ただし、定住外国人に対して選挙権を付与する措置を講じることは憲法上禁止されてはいない

法人の人権

  • 会社は政治的行為をなす自由を要する
  • 税理士会等の強制加入団体は政治献金するか否かは目的の範囲外
  • 司法書士会が他県の司法書士に義援金を贈ることは目的の範囲内

幸福追求権

  • 何人も承認なしに撮影されない自由を有する。(憲法13条)
  • Nシステム自動車速度監視装置は相当範囲・相当方法で適切に管理されているからOK
  • 住基ネットは秘匿性の高い情報ではなく、具体的な危険がないので憲法13条を侵害しない
  • 患者が輸血を拒否している場合、無断で輸血を行った医師の行為は不法行為。(エホバの証人輸血拒否事件)

法の下の平等

立法者拘束説(通例・判例はこちら 立法者非拘束説
法の下の平等とは 法内容の平等。行政権・司法権・立法権を拘束 立法権は拘束されない
憲法14条1項 例示列挙 限定列挙
平等の意味 不合理な差別を禁止する相対的平等 列挙事由だけの絶対的平等
  • 女性の再婚禁止期間のうち、100日を超える部分は違憲。
  • 衆議院議員選挙…『選挙区間の不均衡が合理性を有するとは到底考えられない』+『合理的期間に是正されない』=違憲となる。
  • 氏の変更を強要されない自由は憲法の13条で保障されない
  • 夫婦は婚姻に際して同じ姓を名乗らなければならないが、性別に基づく差別的取り扱いを定めているわけではない。

信教の自由

  • 憲法が禁止する宗教活動とは、目的が宗教的意義を持ち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉になる行為をいう。
  • 市が体育館の起工に当たり、神道式で地鎮祭を行い、公金支出を行ったことは世俗的なことであり宗教活動には当たらない
  • 知事が玉串料を奉納することは相当とされる限度を超え違憲
  • 市が私有地を無償で神社として利用させた行為違憲
  • 普通教育の教師にも一定範囲における教授の自由が保障される。しかし、完全な教授の自由は認められない

表現の自由

検閲の禁止…検閲は絶対禁止。

検閲とは、行政権が主体となって思想内容等の表現物を対象とし、その全部または一部の発表の禁止を目的として対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査したうえ、不適当と認めるものの発表を禁止することをいう。

  • 税関検査は輸入禁止を目的とするものであって、発表禁止を目的としていないので検閲ではない
  • 教科書検定検閲ではない
  • 裁判所による出版差し止めの仮処分命令は行政権ではないので検閲ではない。→表現内容が真実でなくまたは公益を図るものではないことが明白であり、かつ、被害者が著しく回復困難な重大な損害を受ける恐れがある場合に例外的に許される

 

  • 報道の自由は「知る権利」に奉仕するものであり、憲法21条で保障される
  • 取材の自由は十分に尊重に値するが保障されていない
  • 取材源の証言拒絶権は刑事裁判では否定されるが民事裁判では認められる。

〇デモ・集会の憲法判断は変更された過去がある。

  • (最初は)デモ行進を届出制にする分にはOK。許可制にして事前に抑制することは違憲。→デモ・集会は表現活動の一つとして憲法21条で保障されているが、公共の福祉により制約を受ける。

→(しかしその後…)治安維持のためには許可制も合憲となる。公共施設の利用拒否の可否については「集会の重要性と、集会によって侵害される他の人権の内容や侵害発生の危険等を衡量して決すべき」とした。→管理者が正当な理由なく利用を拒否するのは違法。

新聞等に反論文掲載権を認めることはできないと否定。

経済的自由権

  • 不良医薬品の供給防止という目的のため、薬局開設に距離制限規制を設けることは憲法21条1項に違反する
  • 中小企業の保護という目的のため、小売市場の新規開設に距離制限規制を設けることは憲法22条1項に違反しない
  • 公衆浴場の新規開設に距離制限規制を設けることは、憲法22条1項に違反しない
  • 租税の適切な賦課徴収という財政目的のため、酒類販売業を免許制にすることは憲法22条1項に違反しない
薬局のみ違反経済的自由権は小売市場も銭湯も酒も規制が違反ではないとされたのに、薬局のみ規制が違反とされた。

財産権

  • 財産権は法律だけでなく、条例でも制約できる。

憲法29条3項の「正当な補償」とは、どの程度補償をいうのか、判例は分かれている。

〇相当補償説…農地改革事件‐「正当な権利」とは、その当時の経済状態において成立すること7を考えられる価格に基づき、合理的に算出された相当な額をいう。

〇完全補償説…土地収用事件‐土地収用法に基づいて土地を収用する場合、その補償は特別な犠牲の回復を目的とするから、完全な補償を『なすべきもの。

  • 私有財産が正当な補償の下で収用された場合、収用目的が消滅したとしても、法律上当然に被収用者に返還しなければならないものではない
  • 補償規定を欠く法令も違憲無効とはならない。→損失補償に関する規定がない場合であっても、その損失を具体的に主張立証して、別途直接憲法29条3項を根拠にして、補償請求する余地が全くないわけではない
  • 憲法29条3項は補償の時期については言明していないから、補償が財産供与と同時履行を保証しているものではない

人身の自由

憲法31条は、法定の手続きを規定しているが、法定された手続の適正実体規定の法定、法定された内容の適正を要求している。

  • 第三者の所有物を没収する場合、当該所有者に対し、何ら財産権用語の機会を与えることなくその所有権を奪うことは適正な法定手続きによらないで財産権を侵害する個のであり違憲。
  • 憲法31条の定める法定手続きの保障は、直接には刑事手続きに関するものであるが、行政手続きについては、それが刑事手続きではないとの理由のみで、そのすべてが当然に同情による保障の枠外にあると判断することは相当ではない。→行政手続事前の告知・弁解・防御の機会を常に与えなければならないわけではない。→直ちに憲法31条違反とはならない。成田新法は諸事情を勘案して行政手続の31条の準用を認めた。
  • 憲法35条1項の令状主義は、主として刑事手続きに適用されるが、行政手続が刑事責任追及を目的とするものではないとの理由のみで、その手続きにおける一切の強制が当然に右規定による保障の枠外にあると判断することは相当ではない。→行政手続きだからといって令状なし住居捜索・所持品押収違憲といわれても仕方がない。
  • 憲法37条は審理が著しく遅延した裁判を免訴としている。→15年も中断していた。

『警察24時(テレビ番組)』なんかで怪しい人間を職質してて、その人が持ち物検査を拒否したら無理やり捜索することができないので、裁判所の書記官に令状をもらいに行っているところを映していたりしますね。

社会権

憲法25条1項は、すべての国民が健康で文化的な最低限の生活を営みうるように国政を運営すべきことを国の責務として宣言したにとどまり、直接、個々の国民に対して具体的な権利を付与したものではない。具体的権利としては、憲法の規定の趣旨を実現するために制定された生活保護法によって初めて与えられる。そして、何が「健康で文化的な最低限度の生活」であるかの判断は国の財政状態などに基づく厚生大臣の裁量に任せられている。→朝日訴訟、プログラム規定説

「健康で文化的な最低限度の生活」とは、きわめて抽象的・相対的な概念であり、併給禁止を行うかどうかは立法府の広い裁量に委ねられており、それが著しく合理性を欠き、明らかに裁量の逸脱・濫用と見ざるを得ないような場合を除き、裁判所の司法判断には適さない。→堀木訴訟、生涯福祉年金と児童扶養手当の併給禁止規定は合憲

上記2つはつまり、保障額は国が決めるということ。少なくとも憲法には違反しない

教育を受ける権利

子供は大人一般や社会に対して、自らに教育を受けさせろと要求する権利を有する。→学習権

  • 国家教育権説…教育権の主体は国家
  • 国民教育権説…教育権の主体は親・教師を中心とする国民

判例

    • 上記の説はどちらも極端かつ一方的であり採用できない
    • 親の教育の自由は主として家庭教育など学校外や学校選択の自由がある。
    • 教師にも一定の範囲内で教授の自由がある。
    • 国も必要かつ相当と認められる範囲において、教育内容についても決定する権能を有する。

義務教育の無償は授業料の無償を意味する。

次回、統治↓