【独学合格者ノート】行政書士試験受験者のための憲法【これを見れば憲法がわかる!】その2

2018年11月18日資格・勉強

前回の続きです。

総論~人権はこちら↓

統治

国会

衆議院の優越

法律案の議決 予算の議決 条約の承認 内閣総理大臣の指名
衆議院の先議権 × あり × ×
両院協議会の開催 任意 必要 必要 必要
参議院が議決しない場合 60日以内

参議院が否決したとみなす

30日以内

衆議院の議決となる

30日以内

衆議院の議決となる

10日以内

衆議院の議決となる

衆院再可決 出席議員の3分の2以上

会期

常会…年に1回開催される通常国会。1月から150日間。

特別会…衆議院の解散後の総選挙の日から30日以内に召集される国会。

臨時会…その他の国会。いづれかの議員の1/4以上の表決で召集要求。

国会の定足数

1/3以上の出席。

表決数

出席議員の過半数。同数の場合は議長が決する。

例外:出席議員の2/3以上必要なのは以下の4つ。

  1. 資格争訟裁判で議席を失わせる
  2. 秘密会の開催。1/5以上で表決数も記録
  3. 懲罰による議員の除名
  4. 衆議院での法律案の再議決

そのほかの例外:定足数2/3以上、表決数2/3以上で憲法改正の発議。

衆議院の解散

権限は内閣にある。

解散すると参議院も同時に閉会となる。内閣は参議院の緊急集会を求めることができ、そこでの措置は次の国会開会の10日以内衆議院の同意がなければ将来に向かって効力を失う。

権能

国会の権能

  1. 法律の制定権
  2. 憲法改正の発議
  3. 条約の承認
  4. 内閣総理大臣の指名
  5. 弾劾裁判所の設置
  6. 財政の監督権

議院の権能

  1. 釈放要求権
  2. 議長・役員の選任
  3. 懲罰
  4. 資格争訟裁判権
  5. 議院規則制定
  6. 国政調査権
  7. 国務大臣の出席要求権
  8. 秘密会開催の議決権

国会は制度について、議院は議員についてのことが多い。

議員の特権

不逮捕特権

国会議員は会期中逮捕されない。会期前に逮捕されても議院の要求があれば会期中釈放しなければならない

ただし、院外での現行犯の場合と院の許諾があれば逮捕される。

免責特権

国会議員は議員で行った演説・討議・表決について院外で責任を問われない。

国会議員の発言について、国の責任が認められるには、職務とはかかわりなく『違法または不当の目的をもって…』や『虚偽であると知りながらあえて…』等、その権限の趣旨に明らかに背いているような特別の事情が必要

全く関係のない話をしたとかじゃないと責任を追及できない。

歳費受領権

国庫から歳費を受け取れる。

内閣

  • イギリスの議院内閣制を採用している。→地方自治では首長制を採用しつつ議院内閣制の要素もある。
  • 国務大臣内閣総理大臣により任命され、過半数は国会議員でなければならない
  • 内閣は不信任の決議後10日以内に衆議院の解散がされない場合、総辞職しなければならない。
  • 内閣が総辞職した場合、内閣総理大臣が任命されるまで引き続き職務を負う。→会社の役員と同じ。
  • 国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ訴追されない
  • 内閣は行政権の行使について国会に対して連帯責任を負う。→ここでいう責任とは政治的責任

権能

条約の締結

事前に国会の承認を受けなければならない。ただし、緊急を要するなどにより事前に承認を得ることが困難な場合には例外的に事後の承認でよい

予備費の支出

内閣は事後に国会の承諾を得なければならない

なお、国会の事後の承諾が得られなくても、すでになされた予備費の支出の効力に影響は無い

そのほか、予算の作成・提出。政令の制定。臨時国会の召集が可能。

裁判所

試験に出る判例まとめ

  • 法律上の訴訟とは、当事者間の具体的な権利義務・法律関係の存否に関する紛争であって法令を適用することで終局的に解決できるものをいう。
  • 裁判所は具体的な事件を離れて、抽象的に法律・命令等の合憲性を判断する権限は有していない
  • 国の存立にかかわる条約は「一見極めて明白に違憲無効」でない限り、違憲審査の対象とならない
  • 宗教上の協議にかかわる判断、それが前提問題となっていても、具体的紛争に関する訴訟の帰趨を左右する必要不可欠なものであることからすれば、法律上の争訟には当たらない
  • 自律的な法規範を有する特殊な部分社会があり、そこでは一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り、裁判所の司法審査の対象にはならない。→部分社会の法理
  • 直接国家統治の基本に関する高度に政治性のある国家行為、たとえそれが法律上の争訟となりこれに対する有効無効の判断が法律上可能である場合であっても、かかる国家行為は裁判所の司法審査の対象とならない
  • 国会の両院において議決を経たものとされ、適法な手続きによって公布された法律については、裁判所は両院の自主性を尊重して、制定の議事手続きに関する事項を審理して、その有効無効を判断すべきではない

 

  • 地方議員の懲罰処分は司法審査は及ばない。(より重い)除名処分については司法審査が及ぶ
  • 大学の単位認定司法審査の対象とならない専攻科終了の認定司法審査の対象となる

 

  • 政党が組織内の自律的運営として党員に対してした除名その他の処分の当否については原則として自律的な解決に委ねるのを相当とし、したがって政党が党員に対してした処分が一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り審査権は及ばない

組織

  • 最高裁判所は長官1人。裁判官14人。
  • 下級裁判所の裁判官は最高裁判所の指名した者の名簿によって内閣が任命。
  • 裁判の対審及び判決は公開の法廷で行われる。→傍聴やメモを取る権利を保障しているわけではない
  • 最高裁判所の裁判官は任期無し、定年70歳。下級裁判所の裁判官は任期10年、定年65歳。簡易裁判所は定年70歳
  • 下級裁判所も違憲審査制を行使することができる

 

  • 違憲審査権を行使しなくても事件が解決できるなら、違憲審査権を行使するべきではない。
  • 法令の解釈に際して、文字通り解釈すれば違憲となるが、限定的に解決することにより合憲となるのであれば、合憲となるような解釈を採用すべき。

財政

  • 新たに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律または法律の定める条件によることが必要である。→租税法律主義
  • 租税以外の公課であっても、賦課徴収の強制の度合いが租税に類似する性質をもつものについては、憲法84条の趣旨が及ぶ。→強制徴収可能
  • 課税がたまたま通達を機縁として行われても、通達の内容が法の正しい解釈に合致するものである以上、課税処分は「法の根拠に基づく処分」と解するに妨げない

私立学校に対する助成金の支出の合憲性

通説 公費濫用防止説 私立学校は「公の支配」に属し合憲。
自主性確保説 私立学校は「公の支配」に属していると言えず違憲。

公費濫用防止説…「公の支配」を緩やかに解する。国又は地方公共団体の一定の監督が及んでいればよい。

自主性確保説…「公の支配」を厳格に解する。根本的な方向に重大な影響を及ぼせなければならない。

国の歳入歳出の決算はすべて毎年会計検査院が審査する内閣は毎年、会計検査院の報告とともに決算を国会に提出しなければならない。

まとめ

行政書士試験の憲法は5肢択一が5問、多肢択一が1問で配点は28点です。

試験全体が300点なので約1割が憲法の問題で占められています。

ですので、ここをおろそかにしてしまうと合格が遠のいてしまいます。

憲法は試験対策でも非常に大事な分野なのです。

憲法は暗記科目ですが一定のルールに基づいて判例が出ていますし、有名な判例も民法に比べたら少いので、民法よりも簡素で覚えやすいところでもあります。

受験生の皆さんは難しい民法と行政法で多少の余裕を持てるように、斉藤の『合格ノート』で憲法を得点源にしていただきたいと思います。

憲法終わり。【次回、行政法】

【独学合格者ノート】行政書士試験受験者のための行政法【これを見れば行政法がわかる!】