優待クロス(つなぎ売り)している銘柄が権利確定日に株式分割をするとどうなるのか?
こんにちは、株式分割投資家です。
優待銘柄の優待条件の変化としては、保有株数による優待内容の変化や長く株主でないと優待がもらえない長期保有要件などがあります。
これらに該当する銘柄は結構あるのでイメージが付きやすいですし、対処の方法も分かりやすいので問題はないと思います。
しかし、株式自体の変化についてはどうでしょうか。
株式には分割や併合など、時として様々な変化が起こります。
それにより持っている株自体にも様々な変化が起きることになります。
今回は権利日に株式分割をした場合、優待クロスはどうなるのかを見ていきたいと思います。
1:2の株式分割の場合
分割の多くは1:2や1:3です。
『1:2』とは権利日に株を保有していると1株が2株になることを言います。
『1:3』なら1株が3株になります。
現物株式を保有していると上記のように株数が割合に応じて単純に増えます。
100株保有していれば200株に増えるのでお得感がありますね!(実際は1株当たりの価値が半分になるので損でも得でもありません)
では、権利日に『制度信用買い』や『制度信用売り』をしていた場合はどうでしょうか。
制度信用をしていた場合
制度信用買いをしていた場合は単純に制度信用買いをしていた建玉(信用取引で注文した株のことを建玉と言います)が分割割合に応じて「1:2」なら100株→200株になります。
簡単ですね。
制度信用売りをしていた場合も同様に分割割合に応じて「1:2」なら100株→200株になります。
つまり、整数倍の分割のときは制度信用建玉については特に何もしなくていいということになります。
一般信用をしていた場合
一般信用のときも制度信用と変わらず「1:2」ならが100株→200株と分割割合に応じた株式が付与されます。
ただし、現渡ができるまで時間がかかるため現渡ができない場合があります。
2019年3月に早稲田アカデミーを権利日分割で現物買いと一般信用売りで持っていたことがありますが、現渡が不可で個別に決済注文したことがあります。
手数料無料の人ならいいですが手数料がかかる人は思わぬ経費が掛かることもあるので注意してください。
「1:整数倍」ではない場合
「1:2」や「1:3」ではなく「1:1.1」などの整数倍ではない場合はちょっと面倒なことになります。
「1:1.1」であれば現物株式を100株保有していれば110株になります。
制度信用をしていた場合
制度信用をしていた場合は取得単価が変更になり保有株数の変化はありません。
ちょっと複雑な権利落ち後の調整金計算があるのでそこは省きますが、制度信用買いで100株持っていて「1:1.1」の分割になった場合、分割後も持っている建玉は100株のままで、取得単価が下がるという形になります。
つまり、現物買いと制度信用売りでクロスをしていた場合、権利落ち後はクロスしている株数が同じでなくなるので正確なクロスが効かなくなります。
取得単価は下がるので丸損かと言われれば何とも言い難いですが、難しいので初心者は手を出さないほうがいいでしょう。
一般信用をしていた場合【重要】
一般信用クロスが正義という私の信条上、ここはとりあえず抑えておいた方が良いと思います。
一般信用売りを行っている銘柄が権利日に「1:整数倍以外」の株式分割を予定している場合、一般信用売りは権利日前に強制決済させられます。
つまり、優待クロスが効かなくなります。
手数料と貸株料を払ってクロスをしているのに権利日前に強制決済させられるのは何とも悲しいので注意しなければなりませんね。
SBI証券のHPから引用した説明文を以下に掲載しておきます。

カブドットコム証券の説明文を以下に掲載します。

書き方は微妙に異なりますが、一般信用取引の建玉は権利日を跨げないと書いてあります。
まとめ
重要なのは「1:整数倍以外」の分割は一般信用建玉が権利日を跨げないということ。
これを知らないと、権利日過ぎてから口座を見ると「買い玉しかない!なんで!?」とならないとも限りません。
初心者の方はとりあえず、株式分割する銘柄の優待クロスは見送ったほうが無難でしょう。
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